全国240万tの馬鈴しょ生産量の内、78%のシェアを誇るじゃがいも王国北海道。その王国の中心になる十勝は北海道の生産量の42%を占めています。
冷涼な気象条件と恵まれた土地資源を活かし、十勝のエリート産地が切磋琢磨しあって生産した馬鈴しょには、他の産地に真似の出来ない「北海道らしさ」がたっぷり詰まっています。その中にある芽室町の馬鈴しょ生産量は十勝の14%に達します。
馬鈴しょは生食用・加工用(ポテトチップス・コロッケ・冷凍加工)・澱粉用などの用途があり、どの用途にも最善な品質で対応できる品種はありません。
芽室町では実需者や消費者が求める多種多様なニーズに応える為、現在14品種の馬鈴しょを栽培し、種子の生産から一貫した管理を行っています。
芽室町のスイートコーンは昭和46年に加工工場が建設されたのをきっかけに作付けが増え続け、今では面積・生産量とも日本一の産地です。生食向けは主力品種であるゴールドラッシュを中心に、加工向けはコーンスープや缶詰などに姿をかえて全国の食卓に届けられています。
日本一の産地で作られるスイートコーンは、夏の長い日照時間によって作られた養分が肌寒くなる夜に実に蓄えられ、強い甘みを作り出しています。
そして、生食スイートコーン収穫のほとんどが、甘さを逃さないためまだ夜が明けきらない早朝に収穫されます。まさに、自然の恵みと生産者の努力によって作り上げられた美味しさなのです。
スイートコーンの主な成分は炭水化物で、ビタミン・ミネラルなどの栄養成分もバランスよく含まれています。スイートコーンの糖質は消化吸収が早く、夏場のエネルギー補給や疲労回復にも効果的です。また、食物繊維も多く含まれているので便秘の改善にも最適です。
ごぼうはその長さから、1メートル近くのやわらかい土壌を必要とし、どの畑でも栽培できる作物ではありません。畑の土の中には石や粘土が含まれており、まっすぐ伸びようとする「めむろごぼう」の邪魔をします。
芽室町の畑は下層までやわらかい土が広がっている所が多く、ごぼうの生産に適しているのです。
春の蒔きつけから収穫までの4ヶ月以上もの間、やわらかい土の中でスクスク伸びた「めむろごぼう」は8月末から11月末まで収穫し、一部を畑に残し翌年の春に収穫します。「めむろごぼう」は太さ・長さによって11規格に分けられます。同じ長さ・太さのものを作るのは非常に難しい事です。芽室町の恵まれた土壌条件で育ち、先端まで太くまっすぐ伸びた「めむろごぼう」は柔らかく、風味が強いごぼうです。
ごぼうは、日本が誇る健康食品。みなさんご存知の通り、食物繊維の含有量は根菜類の中では突出して多いのが特徴です。また、古くからむくみ取りの漢方薬としても利用されていました。
芽室町で生産される生食向け南瓜の主力品種の名前は「くり将軍」。
“将軍”という名前に似合わず、甘い食味とホクホク感、そして貯蔵性が高いのが特徴です。冬にかけて貯蔵するとデンプンが糖に分解され更に甘みが増し、ホクホク感いっぱいになります。また、白い皮の「雪化粧南瓜」も生産しています。
南瓜も用途に合わせて、生食用・加工用の生産を行っています。
芽室町で生産されているキャベツは、サワー系が主流で葉は柔らかく甘みがあり、生食や炒め物などに幅広く利用できます。収穫は一玉一玉手作業で行われ、圃場内で箱詰めされたあとJAに集められ鮮度や豊富な栄養価が落ちないよう、真空予冷システムにより短時間で冷却され、地元北海道はもとより南は九州まで出荷を行っています。
また、キャベツを生産する芽室町野菜出荷組合キャベツ部会は、北海道クリーン農業推進協議会が認証する「YES!clean」にも登録され、皆様に安心・安全なキャベツをお届けしています。
芽室町で生産された長芋は「十勝川西長いも」として、近隣8JAと広域で連携し取り扱いを行っています。
毎年厳しい基準のウイルス検査・検定に加え、出荷前には全生産者の残留農薬検査・栽培履歴・十勝型GAPの提出を義務化し、安心・安全な長いもの生産に努めています。
また、「十勝川西長いも」を選果する選別場は「HACCP※」の認証を受けており、農産物の選果場で認証を受けるのは大変珍しいことです。
「十勝川西長いも」は国内のみならず海外でも評価が高く、台湾・アメリカに続きシンガポールやタイなどにも輸出が伸びている世界的ブランドです。
※HACCP:Hazard Analysis Critical Control Pointの略。原料の入荷から製造・出荷までの全ての工程で、予め危害を予測して、その危害を防止する為にしっかりと管理するシステム。
芽室町のグリーンアスパラは雪解け間もない5月上旬から収穫が開始され、皆さんの食卓に出回る十勝めむろ産のトップバッターです。
土の中で栄養を蓄えたアスパラは、太陽の光を浴びて土の上に顔を出します。それを生産者が一本一本長さを確かめながら手作業で収穫していきます。
十勝めむろの日差しをいっぱいに浴びて、甘くそしてやわらかく育ったグリーンアスパラガスをぜひご賞味下さい。
芽室町でのたまねぎ栽培は昭和49年に生産組合を設立以後、試行錯誤を繰り返し現在の栽培体系が確立しました。まだ、雪が残る3月から種まきが始まりハウス内での育苗を終えると、5月にはその苗を畑へ植え付け、9月から収穫が行われます。この間も管理作業などを行い、収穫後は生産者自らの手で選別・箱詰めを行い厳選した玉ねぎだけを皆様にお届けしています。たまねぎを知り尽くし、生産者の手で選びぬかれた芽室のたまねぎをぜひご賞味下さい。
たまねぎは辛みと刺激の正体である『硫化アリル』という成分が豊富に含まれ、血液をサラサラにし動脈硬化や血栓を予防する効果があります。また、生活習慣病の予防にも効果的です。
芽室町でのゆり根栽培は昭和40年代後半から始まりました。大規模で機械化された農業を展開する芽室町の数ある農産物の中で、ゆり根は植え付け・収穫など殆どが手作業で行われ、約6年の歳月をかけ全国の食卓へ届けられています。
長い年月をかけてひとつひとつ丁寧に丹精込めて育てあげたゆり根は芽室町こだわりの逸品です。
ゆり根は国産の98%が北海道で栽培されています。でも、知名度はちょっと低め。
「食べ方がわからない」・「調理法がわからない」などの理由から家庭内の消費は関西地方を除いて少なく、自慢のホクホクとしたおいしさと滋養の豊かさはあまり知られていません。ゆり根は多彩なビタミン、ミネラル類が豊富に含まれていますが、中でもカリウムは野菜の中でもトップクラスの含有量で、葉酸も含まれています。
そして、この葉酸、胎児の発育に不可欠な栄養素、さらに鉄分も豊富で妊婦さんにぴったりの食材です。
ゆり根の旬は11月~2月。寒さが増すと同時にゆり根の甘さも増すため、収穫直後よりも少し期間をおいた方がさらにおいしく食べられます。
しいたけの栽培には原木栽培と菌床栽培がありますが、芽室町では計画的な出荷を行うことが可能な菌床栽培を行っています。ビニールハウス内で栽培し寒い冬の季節も温度管理を徹底し、ほぼ1年を通して休みなく収穫作業を行っています。
しいたけは風邪などのウイルス性の病気に対して抵抗力をつけ、がんの発生・進行を抑える作用があると言われています。また、高血圧や肥満を防ぐ効果があり、健康食材として食卓には欠かせない存在です。
芽室町では、秋播き小麦が「きたほなみ」、「ゆめちから」、「キタノカオリ」、春播き小麦は、「春よ恋」と「はるきらり」を栽培しており、その中でも主に秋播き小麦の「きたほなみ」、「ゆめちから」の栽培に力を入れています。
小麦には秋播きと春播きがあり、秋播き小麦は麺用とパン用、春播き小麦はパン用として製粉されます。麺用小麦は、主に大手製粉メーカーに販売され、カップ麺、うどん等に使用されています。また、パン用小麦は、地元のパン屋さんのパンの原料に使用されています。小麦には、「タンパク質」「糖質」が豊富に含有されており、タンパク質の含有量によって、強力粉(パン用)、中力粉(麺用)、薄力粉(菓子用)に分けられます。
てん菜は別名“砂糖大根”といわれています。葉はほうれん草を大きくした感じで、根は紡錘形をしています。この根に糖分がたまります。
収穫されたてん菜は芽室町にある大きな製糖工場に運ばれ、きれいに洗浄され裁断の工程を通りお湯の中で砂糖分が煮出しされ、水分を蒸発させて糖蜜となり、その後結晶行程を経て砂糖になります。
てんさい糖は、「オリゴ糖(ラフィノース)」であり、体内の善玉菌の代表であるビフィズス菌を助ける役割があります。
芽室町では黄大豆の「トヨハルカ(大粒)」・「ユキシズカ(小粒)」と黒大豆の「いわいくろ」を主に作付しています。
黄大豆は日本の伝統食の代表格でもある味噌・豆腐・納豆の原料として使用され、黒大豆はお正月には欠かすことのできない煮豆やお菓子等にも使用されています。
また、大豆は「畑のお肉」と言われるほど「良質なたんぱく質」が豊富に含まれています。そのほかにも、脂質・炭水化物・食物繊維・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・ビタミンE・ビタミンB1・葉酸など様々な栄養素が含まれています。
芽室町で作付されている品種は、「エリモショウズ」・「きたのおとめ」・「きたろまん」の3品種となっており、主に作付されているのは大粒系の「きたろまん」になります。
小豆といえば餡子。十勝産小豆として、「つぶあん」や「こしあん」の原料として全国のお菓子や食品メーカーで使用されています。
小豆は他の豆類とは異なり、タンパク質や糖質は比較的少なく、炭水化物が多いのが特徴です。
また、小豆はその昔投機の対象となり、凶作時には天井知らずの相場となったことから「赤いダイヤ」と呼ばれました。
芽室町で作付されている菜豆の品種には、赤紫色の金時類と白色の手亡類があります。品種は金時類が「福勝」(ふくまさり)、手亡類が「姫手亡」・「雪手亡」の3品種を主に作付しています。
金時類の「福勝」は甘納豆や煮豆、手亡類の「姫手亡」・「雪手亡」は煮豆や製餡にも利用され、最近では金時・手亡ともミックスビーンズの原料として利用されています。
その昔、芽室町では全耕作面積の半分以上が豆類の作付で、十勝の中でも豆類の作付率が高かったこともあり「豆の芽室」と呼ばれていました。